リサーチ概要
消費財の購買では、8割弱が入店後に購入商品を決めている非計画購買で、9割以上が店内で購買する商品を決めていると言われています。
米国消費財メーカーのP&Gは「消費者は店頭で目的の商品の展示やパッケージを見てから3秒から7秒でどの商品を買うかを決めていることが多い」ことから、消費者が店頭で商品を買うか買わないかを決める瞬間をFMOT(First Moment of Truth)という購買メンタルモデルを提唱しています。また、ドイツの心理学者エビングハウスの人間の記憶力に関する実験によると、人は覚えたことを24時間後には約70%を忘れてしまうといいます。そのため購買時の意識や行動の把握には、購買直後に調査することが必要です
そのため、マイボイスコムでは、全国に1万店以上ある流通企業との協業で、店舗で対象商品や対象カテゴリーの商品が購入されたら直ぐに、購買者のスマホにアンケートを依頼する「購買直後の消費者インサイト調査」を実現しました。
POSデータとの連携で買い物直後にアンケートの依頼が出来るので、買物時の意識や行動を購入時の記憶が無くなる前に聴取できる仕組みです。
調査手法の仕組みと特徴
インターネット調査でも、レシートアップロードでの調査でも、購買から回答まで数日のタイムラグが生じます。
「購買直後の消費者インサイト調査」では、POSデータの自動連携で、商品購入した瞬間の記憶が残るタイミングで、何を目的に来店し、どの商品と比較してその商品選んだのか、店内や棚の前でどんな情報を目にして、何が決め手でその商品を選んだのか、そして、商品の利用後の評価や、今後の購入意向等も正確に把握できるのが特徴です。
- ※これまでもレシートアップロード後にアンケートに回答するサービスはありますが、商品購買から数日のタイムラグが発生すると思われます。
「購買直後の消費者インサイト調査」の検証結果
事前に消費財メーカーの皆様にヒアリングをしたところ、FMOTに強い関心があるものの、「本当に購買当日と、数日後の回答に変化があるのか分からない」という意見を多くいただきました。
そのため実際に具体的な商品(加工食品)で、1)初回購入した当日、2)初回購入から1週間後、3)初回購入から2〜3週間後に、各1,000件の回答を聴取して比較しました。「Q購入理由」、「Q味の好み」、「Q今後の購入意向」の調査結果は下記の通りです。いずれも時間経過によって回答傾向が変化していることが分かりました。
やはり、実際に商品購入した3〜7秒の意識や行動を正しく捉えることが、有効なマーケティング施策の検討には必要だと証明できました。